ティグ溶接・アーク溶接・半自動溶接の違いと現場での使い分け|配管溶接の実務知識
溶接機が火花を散らす音、金属が溶け合う瞬間のにおい——配管工事の現場では、どこへ行っても溶接の技術が仕事の中心にあります。
愛知県春日井市を拠点に、1974年の創業から50年以上にわたって設備工事・溶接工事を手がけてきた山田管工事有限会社。工場・大学・病院・大型商業施設など、さまざまな現場で私たちが使い続けてきたのが「ティグ溶接」「アーク溶接」「半自動溶接」の3種類です。
「溶接って種類があるの?」「現場によって何が変わるの?」そんな疑問を持ちながら溶接の世界に飛び込んだ方も多いはず。この記事では、弊社が日々の施工で実際に使っている3つの溶接方法について、現場目線でわかりやすく解説します。溶接工・配管工への転職を検討している方にも、仕事のリアルを知るきっかけとして読んでいただければ幸いです。
この記事でわかること

そもそも「溶接」とは?配管工事における役割
溶接とは、金属同士を高熱で溶かしてつなぎ合わせる加工技術です。配管工事では、給水・排水・空調・冷凍冷蔵といった設備の配管を現場の寸法に合わせて切断・加工し、それらを隙間なく接合するために溶接技術が不可欠です。
わずかなズレや隙間が生じると、配管全体の強度低下や水漏れ・ガス漏れにつながります。だからこそ、溶接は「正確さと経験」が問われる技術であり、設備工事の品質を左右する核心部分といえます。
弊社では工場内での溶接加工(先行加工)と、現場での施工溶接の両方に対応しています。施工図・加工図の作成から管の加工・溶接、搬入、施工、検査まで一貫して手がけられるのが山田管工事の強みです。
ティグ溶接(TIG溶接)とは?
基本的な仕組み
ティグ溶接(TIG:Tungsten Inert Gas)は、タングステン電極と不活性ガス(主にアルゴンガス)を使って溶接する方法です。電極自体は溶けず、溶加棒と呼ばれる別の棒材を手で送り込みながら溶接します。
特徴・メリット
- ビード(溶接跡)が美しく、仕上がりが精密
- スパッタ(飛び散る金属粒)が出にくい
- ステンレス・アルミなど薄板・難材料にも対応できる
- 配管の内面まできれいに溶接できる
配管現場での使い場面
弊社が手がける空調設備工事や給排水設備工事では、ステンレス配管の接合にティグ溶接を多く使います。病院・食品工場・精密部品工場など、衛生管理や精度が特に求められる現場で特に活躍します。技術習得に時間はかかりますが、「ティグができる」ことは溶接工としての大きな強みになります。
弊社の保有設備:溶接機(TIG溶接機)を自社で保有しており、工場加工・現場施工の両方に対応しています。
アーク溶接とは?
基本的な仕組み
アーク溶接は、溶接棒(電極)と母材の間に発生する「アーク放電」という電気の火花を熱源として利用する溶接方法です。溶接棒自体が溶けて母材と融合します。設備工事の現場で最も長い歴史を持つ基本的な溶接技術のひとつです。
特徴・メリット
- 機材がシンプルで扱いやすく、初心者も習得しやすい
- 屋外・現場溶接に向いている(風の影響を受けにくい)
- 鉄・ステンレスなど幅広い材料に対応
- 厚板の溶接に強い
配管現場での使い場面
炭素鋼管(SGP管など)の配管接合や、現場での補修・修正溶接にアーク溶接を使う場面が多くあります。屋外の施工現場でも安定した溶接品質を保てるのが強みです。弊社では「アーク溶接作業者」の資格取得を会社全額負担でサポートしており、未経験から入社した社員もまずこの資格取得を目指すことができます。
弊社の保有設備:アーク溶接機・エンジンウェルダー(発電機一体型)を保有。電源が確保しにくい現場でもエンジンウェルダーで対応できます。
半自動溶接とは?
基本的な仕組み
半自動溶接(MAG溶接・MIG溶接とも呼ばれる)は、ワイヤー状の溶接材料が自動的に供給される方式です。溶接士はトーチの操作に集中できるため、アーク溶接より効率よく溶接を進められます。
特徴・メリット
- 作業スピードが速く、生産効率が高い
- ワイヤー自動送給でスパッタが少なめ
- 中厚板から厚板の溶接に強い
- 連続した長い溶接線にも安定して対応できる
配管現場での使い場面
大型施設の配管工事では、長い直線溶接や大径配管の接合に半自動溶接を活用します。弊社が施工してきた大学・工場・ショッピングモールなど規模の大きい現場では、作業効率と品質を両立するために半自動溶接が欠かせません。
弊社の保有設備:半自動溶接機を自社保有。工場での先行加工から現場施工まで対応しています。
3つの溶接方法を比較する
ここまでの内容を表でまとめます。
| 項目 | ティグ溶接 | アーク溶接 | 半自動溶接 |
|---|---|---|---|
| 仕上がりの精度 | ◎ 非常に高い | 〇 普通 | 〇 普通〜良好 |
| 作業スピード | △ 遅め | 〇 普通 | ◎ 速い |
| 習得難易度 | △ 高め | ◎ 比較的低い | 〇 中程度 |
| 得意な材料 | ステンレス・アルミ・薄板 | 鉄・ステンレス・厚板 | 鉄・中厚板〜厚板 |
| 屋外施工 | △ 風の影響を受けやすい | ◎ 屋外でも安定 | 〇 条件による |
| 弊社の主な使用場面 | 空調・給排水のステンレス配管 | 鉄管の接合・現場補修 | 大型施設の大径・長尺配管 |
山田管工事が持つ溶接設備の強み
弊社では以下の溶接関連設備を自社で保有しています。
- 溶接機(TIG溶接機)
- 半自動溶接機
- アーク溶接機
- エンジンウェルダー(発電機一体型・電源のない現場でも対応)
- バンドソー(管の切断加工)
- ネジ切り機
- 油圧パンチャー・携帯式油圧パンチャー
- プラズマ切断機
設計・加工・施工・検査まで一貫して自社で手がけることができるのは、これらの設備と50年以上の施工実績を積み上げてきたからです。外注先へ依頼する手間がないため、品質管理を社内で完結させられる点は取引先からもご評価いただいています。
弊社の主な施工先には、中京大学・名古屋大学・伊藤ハム株式会社豊橋工場・ヤマハ発動機・シチズン平和時計・土岐市立総合病院などがあります。学校・工場・病院・大型施設と現場の種類が多岐にわたるため、3種類の溶接技術すべてを使いこなすことが現場で求められます。
溶接工として働くうえで知っておきたいこと
資格について
溶接工事に関連する主な資格として、以下が挙げられます。
- アーク溶接作業者:労働安全衛生法に基づく特別教育修了証。入社後に取得を目指せます。
- ガス溶接技能者・ガス溶接作業主任者:ガスを使う溶接・切断作業に必要な資格。
- 管工事施工管理技士(1・2級):配管工事全体を管理・監督する立場を目指すための国家資格。
- 給水装置工事主任技術者:給水設備工事の主任技術者として認められる国家資格。
山田管工事では上記をはじめとする資格取得にかかる費用を会社が負担しています。「資格を取りたいけれど費用が心配」という方も安心して挑戦できる環境を整えています。
3種類すべてを習得することで広がるキャリア
ティグ・アーク・半自動の3種をひと通り使いこなせるようになると、工場の先行加工から現場施工まで幅広く担当できる「マルチな溶接工」として活躍できます。弊社のキャリアプランでは、見習い(年収300〜400万円目安)から一般技能工(年収400〜500万円目安)へとステップアップすることができ、さらにその先の管理職・施工管理ポジションも目指せます。
未経験でも溶接工になれるの?
「溶接なんてやったことがない」という方も、弊社では大歓迎です。代表の山田 鎮弘自身も最初は未経験でした。経験豊富な先輩職人が基礎から丁寧に指導しますので、工具の使い方・安全管理から順を追って学んでいけます。大切なのは「やる気と向上心」のみ——それさえあれば、入社後に確実に成長できる環境があります。
まとめ
ティグ溶接・アーク溶接・半自動溶接——それぞれに得意な場面があり、配管工事の現場ではこの3種類を状況に応じて使い分けることが求められます。
ポイントまとめ
- ティグ溶接:精度が命のステンレス配管・精密現場に
- アーク溶接:屋外・現場施工の基本、入門しやすい
- 半自動溶接:大型施設・大径配管の効率的な施工に
山田管工事有限会社では、3種すべての溶接機を自社保有し、創業1974年から積み上げてきた実績と技術で愛知県・岐阜県・三重県・長野県・静岡県の各現場に対応しています。管工事業 愛知県知事許可(第065784号)のもと、誠実・丁寧な施工を続けてきた会社です。(※2008年 安全努力賞受賞、2021年 有良企業賞受賞)
溶接の仕事に興味を持った方、溶接工・配管工としてのキャリアを考えている方、ぜひ一度弊社の採用情報をご覧ください。
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